先週、映画『YESSONGS』を観ました。 ギターを初めた頃、何度も聴き返していたLPがあります。 スティーブ・ハウというギタリストの演奏に心を奪われ、コピーのために擦り切れるほど聴いたアルバムです。これはそのアルバムのライブ映像を収めた同名映画です。
当時、このアルバムの発売時期にYESが来日しました。観に行きたくて親に頼み込んだのですが、同じ頃、これまた好きだったユーライア・ヒープも来日することになり、どちらかを選ぶ必要がありました。「神VS悪魔」対決と煽られ、本当に悩みました。
散々迷った末、私は“悪魔”を選んでしまいます。ヒープのLIVEは、地獄でした。 というのも、ギターの音量が耳が耐えられないほど大きかったのです。 しかし誰も耳を塞いでいない。自分は耳を塞ぎたかったけど、同調圧力に負けて我慢してしまい、音楽を楽しむ余裕はまったくありませんでした。
その後、音楽雑誌ではYESのLIVEが軒並み高評価で、「なぜ自分は神様(YES)を選ばなかったのか」その後悔は、ずっと心の中に残り続けていました。
故に、『YESSONGS』はどうしても観たかったのです。20代のエネルギーに満ちたメンバーの演奏を目にして、懐かしさと、あの時”神”を選択しなかった悔しさが蘇りました。
もちろん、後悔だけではなく、今の制作へのモチベーションにもつながっています。 音楽におけるヌーベルバーグの波の中では、超絶技巧を駆使するバンドは、その後の時代の変遷とともにメインストリームから外れていきました。 私自身も、人間性を排除しテクノロジーに委ねる表現、技巧よりはムードを重視するニューウェーブに強く惹かれ、いつしかYESを聞かなくなり、忘れてしまっていました。 ここにきて、生演奏や演奏技巧に対して再評価しているタイミングで「YESSONGS」を観たことは大きかったと思います。
セカンドの制作日記と離れてしまって長くなってしまいましたが、 ABパートとサビで分けて共作してる「黄金の人生」で、サビパートのデータが上がってきました。 それを自分のABパートと合体させてみると、ドラム、ベース、ギターの音量バランスやEQ処理に微妙な違いがあり、調整が必要になりました。
これは、一人で完結して作っているとあまり起こらないことですが、 分業で制作しているからこそ生じる、新たな課題だと感じています。 昔のゲーム制作では、複数の作曲者が関わっていても、同じ音源環境で制作するのが当たり前でした。 現在は作曲ツールや音源、エフェクターの選択が異なり、それぞれに長年の蓄積があります。 その結果、同じ音源環境で制作するという前提自体が、今ではなかなか難しくなっているのだと改めて感じました。
今週はここまで 次回につづく