土曜日の午後、テレビをつけっぱなしにしてまどろんでいたら、
偶然NHKで龝吉敏子さんの番組が流れていました。
御年94歳にして、いまだ現役で演奏活動を続けている姿に驚き、そして感動しました。
番組の中で、特に印象に残った言葉がありました。
“ベートーベンの時代にも作曲家は何人もいたはず。
でも後世に残ったのはベートーベン。
私もそんな曲を残したい。勝負は死んでから”
この言葉、かっこいい。
自分が死んで、後世の人が「この曲好き」と言ってくれる人が1人でもいたら ”勝負に勝った”と自分は思いたい!
当時はビッグバンドにはあまり心を動かされませんでした。
けれど彼女の代表曲 「ロング・イエロー・ロード」 を聴くと、そんな曲だと思います。
番組を見終えて「よし、頑張ろう」とスイッチが入り、 『黄金の人生(仮)』 のギター録音に取りかかりました。
アレンジの流れで「やっぱり生楽器がいいだろう」という方向に決まり、
打ち込みの音源をベースにしつつ、実際に生演奏で録ることに。
ところが、いざ弾いてみると…
「え、これ無理〜」とやっぱりまどろみたくなるくらい運指が難しい箇所が出てきます。
そこで選択肢は2つ。
1.弾きやすいように修正する
2.練習を重ねてパンチイン録音する
当然、後者はしんどい。
でも「どうしてもこのフレーズは残したい!」と思ったときは、必死で練習して弾きます。
さらに録音中に「これ入れたい!」とひらめいたフレーズも追加。
「誰か上手いギタリストに弾いてもらいたい」と何度も思うのですが、
DTM歴が長いこともあって、後の編集で何とかするので、結局自分でやってしまうのです。
結果、1曲完成するまでに何百回も同じ曲を聴き続けるという苦行となります。
しかし、苦行の後に至福の、黄金の時間が待っているのも知っています。
今週は、龝吉敏子さんの言葉に背中を押され、
火渡り行ほどではない、ギター百聞行に集中した一週間でした。
今週はここまで
次回につづく